私が所長Kです、趣味を中心に展開できればと思います。


by elise-4550
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カテゴリ:オーディオ( 333 )

対照的なSPシステム

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第二試聴室の超大型システムがあまりに他を圧倒しているため、同じ部屋のシステムは聴くことが少なくなりました。そこで、システムの整理を始めたわけですが、その圧倒的なパフォーマンスは第一試聴室にも影響を与えていました。特に、マルチダクト3wayはその性格からスケールダウンモデルの感は拭えず、あまり存在価値がなくなりました。一時は解消を考えましたが、別の発想で構成を変更しました。

同じ壁面に正反対の性格を持ち、まあまあ高音質なシステムを2組セッティングしたのです。元々ある3wayシステムはひたすら広帯域でステレオイメージを追求します。そのため、中低域の強さや音の勢いは成り行きということにします。

もう一方は、2way同軸励磁システムにしました。こちらはステレオイメージや広帯域感よりも音の勢いや充実感を重視して、何より音が出る瞬間のパルス的な空気の炸裂を大切にしました。誤解を避けるために断っておきますが、良くある懐古的なビンテージ音は何よりも嫌っています。

この2つのシステムにより、旧来のマルチダクト3wayは下手なバランスをとることから吹っ切れて、いわゆる海外のハイエンドSPでも得られない広帯域感と音場を得た気がします。音像の小ささだけはまだ努力の必要がありますが。

しかし、聴く時間が長いのは、同軸2wayの方です。意図的に、プリとパワーの低域カットオフを上げてからは劇的に音のタチが変わり、生音を彷彿とさせる立ち上がり感です。高域が若干甘いのはまあ、仕方がないでしょう。

どちらのシステムも、入力部分から別系統にして、それぞれの性格を生かすように機材を選び、その音質的効果を確認しています。今回の成果はその下支えあってのことだと判断できます。そのためにアンプの製作も行いました。3wayは自分の最新型Trアンプをあてがい、基本回路を共通にしたプリ兼ディバイダでウルトラシルキーな音質を追求しました。2way同軸は、この間に成果のあったPFB真空管プリと、211シングルがその電気的増幅装置です。これは音の勢いや抑揚の大きさを重視して、演奏者の思いを拡大して表現することを目的としています。

この2つのシステムを切り替えることにより、第二試聴室の全てを備えた圧倒的存在感に負けない「聴く楽しみ」を手に入れました。雨の日や深夜の試聴は母屋の方が都合が良いので、試聴時間の取れない最近はもっぱらこちらでいろいろなソースを聴き比べています。
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by elise-4550 | 2014-05-31 23:25 | オーディオ | Comments(4)
相変わらす試聴室の整理を続けています。屋内の第一試聴室はなんとか片付きましたが、第二の方は大幅な模様替えを考えていたので、ごった返しています。この試聴室はガレージともよばれ、これからが心地よい環境になるのに使えない状態です。その模様替えに伴って、いくつものオーディオパーツをオークションに出品してきました。200L級のエンクロージャーを2組減らしたりしています。

本日、久しぶりに真空管アンプを出品しました。

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RSD EL12 PPアンプです。以前、このブログで絶賛したことのある氏家式ウィリアムソンアンプです。その中でも最もこの回路の利点が発揮されたと思われる試作品です。

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上の写真は10KHz矩形波の応答特性です。

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シャーシに残る最大の傷です。

もし良ければオークションの方の説明もご覧ください。
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by elise-4550 | 2014-04-14 11:25 | オーディオ | Comments(0)
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とりあえず音質評価できるまでには完成しました。

主要パーツは電源トランスがタムラPC-3011,出力トランスがタンゴFW-50-10S,チョークはSEL10H100mA2個,整流DiはシリコンカーバイドのショットキーDi耐圧1200V,出力段電源平滑には仏SCRポリプロピレンC耐圧1200V50μをチョークコイルから分けて計2本などです。

初段は色々検討の末、6SG7にしました。次段もいくつか試して、6F6三結が最も適しています。ともにRCA製を使いました。出力段の211は、米GE製の英商社マーク(COLOMER)を手持ちから使ってみました。結局、軍用等で出回っている211と何も変わりませんでした。そして、フィラメントハムの打ち消し管として、3B4というラジオ用直熱5極管を使っています。

ゲインは8Ω負荷で約6.1倍(15.2dB)最大出力はオシロの波形から約10Wです。電源タップを高圧に切り替えると約15Wまでゆきますが音圧的にも音質的にもそこまで部屋を暖めることはありません。

問題のハムノイズですが、少々コツのいる調整でやっと1.5mVです。打ち消しがなければ5~8mVなので、効果は十分あるわけですが、諸先輩方の1mV以下の値には片CHのみで不安定にしか達成できません。211は特に難しい10V管ですし、まあ、私の技術と根気ではこんなものでしょう。経験上、自己基準で直熱管のハムノイズは2mV以内なら許せます、これで実用上は問題なく、Altec系の高能率ウーハーでリスニングポジションにおいてハム音が私には聴こえません。

ただし、このノイズレベルをいつまでも保つことができるかは疑問です。特に、打ち消し管3B4の生成する信号が一定状態を長時間保てない気がします。自分が使う分には再調整すれば良いだけのことですが、度々であれば面倒かもしれません。

ハムノイズ打ち消し信号はCRで波形整形した後、初段のスクリーングリッドに入力しています。初段のコントロールグリッドにはNFB信号、カソードにはPFB信号を戻しているので、同じところに2種以上の信号を注入して生じる相互作用を避けています。

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真空管アンプの音質判断は、よくも悪くも割と簡単で気軽です。各アンプで差が大きいだけでなく、個性豊かなので好き嫌いで構わないと思っているからです。手元にあるいくつかの真空管アンプと繋ぎ変えてみると、まず感じるのは、音の重心が下がるピラミッド型のバランスです。DFが2程度なので、低域共振の周辺が膨らむなんていうことではありません。いつも、211を10KΩ負荷で動作させるとだいたいこのような音質になりますが、音の芯がはっきりしているため今回は特にそれを感じます。実は、この音の芯というところがフィラメントの交流点火の成果だと推定しています。これまでに製作した交流点火アンプに共通する聴感上の大きな特徴です。音が膨らむことはないのに強い音になります。べース等の低域楽器がソリッドに現れてとても気分の良い感じです。ひとつ気付くのは、これはPFBを用いた回路の特徴でもあるのかもしれません、この点は作例が少ないので、まだ断言はできません。

音像定位等の空間情報も同様の傾向で、録音にもよりますが、各種楽器やボーカルがかちっと定位します。わかりやすいです。一方。演奏空間の広がり感や間接音の響きは良くできた定電流点火の直熱管が良く表現するかもしれません。交流点火の定位は少しアニメっぽいかもしれません。ただし、再生して空気感の出るソース自体が少なく、それ以外ではこの特徴はあまり発揮されません。さらに、この点で定電圧点火は私的には論外で、例えばボーカルの口は大きく各楽器の定位はぼやけます。これらの欠点は通常SPの問題として語られますが、直熱球アンプを使用の場合、仔細に検討するとここでかなり変わってきます。

今回の試作は久々の球アンプということもあって、かなり楽しく、音質的にも大成功といえましょう。弾みがついたのと、色々暖めていたアイデアもあるので、しばらくシングルアンプを連作しそうな予感です。問題はこれから時間がとれるかどうかでしょう。

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by elise-4550 | 2014-03-28 04:57 | オーディオ | Comments(0)
前回の続き

③信号の起点とリターン(Di:ダイオード C:コンデンサ R:抵抗 L:コイル等)

だいぶ前にも書いたことですが、今回の回路を用いて確認しておきます。増幅素子が何であろうと、入力モードが電圧だろうと電流だろうと、デジタルだろうとアナログだろうと、外部からの信号には動作する起点があります。それは。初段に関して多くはカソードになります。今回のアンプも同様です。

今回初段は五極管をカソード接地で使います。カソードは純抵抗にて接地されます。ここのカソードの電位を得るための素子にDiやCを用いるとそれらが入力信号ののリターン直列に入ります。つまり、これらの非直線性をそのまま増幅することになります。自分的にはここの純抵抗さえも気に入らないので、できればゼロバイアスにしたいくらいです。

初段出力と次段入力について検討します。カソード接地はカソードを起点としてグリッドとアノード(プレート)で入力と出力をとる回路です。通常の二段目は初段のアノードにグリッドを接続するわけですが、そのグリッドを初段と同じくアースを利用して動作させるために、CでDCを切ってカップリングすると、出力信号のリターンに電源回路が直列に入ることになります。これはそのアンプの音質を大きく決める(悪化させる)ことになります。真空管アンプ自作の好きな方は、ここのカップリングCを色々取り替えて音質の違いを楽しみ、好みの(判で押したように銘柄もののオイルC)にしたりしますが、電源回路の大容量ケミコンに直列に入った「高級」コンデンサに大きな意味はありません。

では直結したらどうなるでしょうか初段のアノードに次段のグリッドを繋いで通常のカソード接地増幅をおこないますと、そのグリッド電位は当然100Vかそれ以上の大きな値となります、当然カソード電位もその値以上になるので、増幅起点であるカソードににアース電位同様の確かな音質的純度を求めるのは困難です。カソード電位とその電流で決まる大きなRだけでは電流帰還がかかり増幅度が無くなります、大きなRと並列のCではこの大容量Cが例によって入力のリターンに入りますので、Cの非直線性を増幅しているとになります。電圧を稼ぐためにDiなどを入れても同様です。また、いずれにせよ、初段の出力リターンに電源が挿入されるのはC結合と同じです。

そこで浮上する回路はアノード接地(カソードフォロワー:CF)です。この回路は起点がアノードにあり、グリッドとカソードで入力と出力をとります。初段のアノードと負荷抵抗の電源にそれぞれ次段のグリッドとアノードを繋ぐと、アースからは浮いた形で初段の出力を次段が受け取ることができます。入力のリターンは負荷Rと次段のグリッド〜アノードのみの純度の高い信号を増幅(減幅?CFはゲイン1以下)できます。

前回あれほど音質的悪者にしたCFを今回利用するのは、先日のプリアンプにおけるPFB+NFB複合回路大成功の結果を受けてのことです。詳しくはそのページをご覧ください。この高音質を今回のパワーアンプでも試してみたいと思いました。更に新しい試みもあります。初段の負荷抵抗と次段CFのカソード抵抗を同じ値にしておくと、初段電流の二倍まで電源側からみた増幅段の電流変化が無くなり理想電源になりますが、それは初段のスクリーングリッド電流とPFBがなければのことなので、御利益のほどはわかりませんが、一応そのように設計しようかと思います。

さて、出力段の211です。この入力と出力のオーディオ的純度ですが、ここは通常のシングルアンプ形式をとる限り入出力リターンに電源回路が直接に入ることから逃げられません。これをを入れないためには差動出力等のPP出力段が必要です。ただ、今回は、211の音質を楽しむ目的なので、電源のケミコン、整流Di等の影響を最小限にします。

まず、前段と直結にします。「音質の優れた」「有名銘柄高級C」の影響をなくすためです。また、C電源(バイアス用)の省略と増幅始点のカソード電位の確定を一体化しておこなうことができる回路で音質阻害の原因を減らします。その回路とはやはり先のプリアンプのべースとして全ての特徴を支えたTL431によるシャントレギュレーターです。

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今回もTL431の高性能と音質的阻害の少なさ(あくまでも主観上)に頼ることになります。先に述べた理由により、初段と次段のレギュレーターを共通にして設計しますが、用心のため、独立にもできるように基板を製作しておきます。

今日はここまでにします。
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by elise-4550 | 2014-03-23 15:06 | オーディオ | Comments(0)
前回の続き

フィラメント定電圧DC点火の音質は、元気が良いといえば聞こえは良いのですが、しかるべき環境で聴くと実に大味な一本調子で、音像定位や空間情報が欠落しています。周波数特性より音像定位を大切にする自分としてはどうしても許せない音質なのです。もちろん、私の知人にも何人かいますが、定位は二の次で音を浴びたい派にはこれでいいのかもしれません。ある人は私に、「ステレオの定位は自分には判らん」とまでいう「オーディオマニア」でした。最近お会いしていませんがいかがおすごしでしょうか

定電流点火は逆の傾向を持ち、空間情報等がしっかり得られると感じています。不思議なことに、定電圧の時と比べて音量が下がったように聴こえるのも特徴です。ただ、定電流回路で音質が変わることも感じるので、この辺はかなりデリケートであり、直熱管アンプの重要ポイントだと思います。

AC点火の音質は今回の試作後に再確認して感想を述べたいと思います。

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②動作点について
211等の送信管はグリッドをカソードに対してプラスの領域まで励振するいわゆるA2級増幅が有名です。そこまで振ると、211の標準動作でA1級のとき約10Wのところ、A2級で30W程度の出力が得られ、「さすがは211」ということになります。ところが実はこの出力増加はオーディオ的には意味のない、むしろ害の多い出来事です。

かつて同一アンプによる845,211,203,838,805の聴き比べをおこないましたもちろん、音量は揃えてます。それぞれに特徴のある音質で、一番気に入ったのは203でした。

そこで、203専用のアンプを製作したところ、ガサガサのひどい音で、この原因を追及して判ったのは、比較試聴に用いたアンプはプレート電圧1100Vで、μ20の203でも-20V程度の負バイアスで動作していました。用いたSPの能率も高いので、全ての音楽はA1級で動作していたのです。一方、専用アンプはトランスの都合で、850V程度で働かせたため、ゼロバイアスに近い条件になっていました。

ご存知のとおり、真空管はゼロバイアス近辺からグリッド電流が流れ出し、前段の動作としては全く異なる負荷となります。その領域を波形の上と下で行ったり来たりする零バイアス動作点は非常に大きな歪みを発生するわけです。以前、宍戸氏が801をゼロバイアスで動作させるアンプを発表されていましたが、聴いていない私がいうのもなんですが、非常に「個性的」な音質だったと予想されます。

ではグリッド電流を流す動作全てがまずいかというと違うようです。つまり、811や838のような動作始点が元々プラスで常にグリッド電流を流すアンプは作り方次第で相当高レベルな音質になります。雑誌等にいくつもの成功(?)例があり、自分でも製作して確認しています。ただ、A1動作の送信管を使ったアンプとは全く異なる傾向の音です。私は結構好きです。

要は、音楽信号が真空管の動作点の負と正の領域を行ったり来たりしなければ良いことになります。これはいろんな手で前段の出力インピーダンスを下げてグリッド電流の影響を軽減して、測定上は気にならなくても。聴けばわかってしまいます。

「211は約10WまでA1級なのだから音楽信号は普通その領域だけで動作しているので問題ないだろう」と思われるかもしれませんが、そうはゆかないのです。つまり、A2級動作に耐えられるように前段を設計するということは、ほとんどは前段がカソードフォロワーか出力管級の球を用いたトランスドライブなので、よりによって音の主張のきついものばかりです。その音質が支配的になって聴こえてしまうわけです。そして、そのどちらも私好みの逆の音です。少なくとも、送信管の特徴と認識している独特な清涼感のある音質ではありません。大半の211アンプがカソードフォロワドライブなのは211にとって悲劇だと思います。逆に言えば、カソードフォロワーの濁った平面的な音を背負ってもあの高レベルというべきでしょうか。

今日はここまでにします。
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by elise-4550 | 2014-03-20 06:31 | オーディオ | Comments(0)
オーディオ業界が下り坂になってはや20年か30年になるのでしょうか、個人的には、自分のやりたいオーディオさえ確保していればいいので、それ自体はどうでもいいんです。つまり、再生音楽を楽しむことを核として、その再生の技術的、電気的な向上を目的として、そのための作業、修行、勉強を楽しんでいるだけで十分だと思っています。

ただ、あまりに周囲の環境が悪化すると、そんなことは言っていられなくなります。その代表的なことに、パーツの供給がありますが、この話は折に触れて愚痴っているので、今回はとばします。

色々ある環境悪化の1つとして、自作派のレベル低下があります。お前がレベルの低下を語る資格があるのかという問題はさておき、雑誌や実物で知ることのできる製作物が何ともお粗末です。少なくとも、私を刺激して、制作意欲を鼓舞してくれるような作品は年間を通してゼロの年も多い気がします。正直なところ、自分のアイデアや経験だけでは私の乏しい才能で進化が遅く、他の作品を知ることで、いろいろな刺激を受けていままでやってきた部分が大きいのです。

その理由の1つにベテラン雑誌ライターの老齢化に伴う引退や進化の鈍化がありますが、これは仕方が無いと思います。60~70歳になって聴覚も脳のレスポンスも低下するのは当然でしょう。問題は、新しい質の良いライターが育っていないことでしょう。だからいつまでもベテランに頼ってこのような状況が生まれたと思います。

自作記事が載るような雑誌は少なくなってしまいましたが、毎月毎月ステロタイプないくつかのパターンの繰り返しで私は知的刺激を感じることができません。真空管アンプが圧倒的に多いのも不満です。よくいわれることですが、球アンプなんて、ちゃんと線をつなげばなってしまうんですよ。「自分が線をつないで音が出てうれしいな」という初心者の感動はいつかは通り過ぎてゆきます。

「底辺の拡大」とかを標榜しながら、底辺しか相手にできないライターではせっかくの自作入門者も飽きてやめていってしまいます。私にはどうでも良いことですが。

また、いわゆるキットが底辺拡大に繋がるかというと、むしろ逆なんではないかと思っています。誰もが子供の頃一度か二度はプラモデルを作ったでしょう。その中から成人しても「モデラー」としてやっているのはごく一部です。「昔、球アンプを作ったことがあるよ」という人を量産しても残るのは各家庭に埃をかぶったキットの残骸でしょう。自分で創意工夫をしてその成果を感じることの喜び、こそが長続きする自作へのエネルギーだと思うのですが、、、

いまはインターネットでその手の情報を得る時代でしょうが、私は普段、日がなコンピューターに向かいあちこち訪れるという時間がありません。あれは時間がかかりますから。雑誌というのは、その点未だに便利なものなのです。

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この数年間、球アンプの製作が減っていたのに色々理由が有ったように、今回211シングルの製作を思い立ったのにも色々理由があります。でもそんなことはどうでもいいでしょう。何回目かの211シングルを作りたいと思います。

①フィラメントの点火について
定電圧や整流平滑のみのDC点火は絶対にだめです。ちなみに最近雑誌等に載る自作直熱管シングルはこればかりです。程度が悪いです。❶投入時のラッシュ電流❷カソード電圧勾配によるフィラメントの片減りと特性変化❸整流平滑回路の各種ノイズの影響を受けやすいこと ❹きちんとした理屈がつかない経験上の仮説、等の理由により直熱管の定電圧点火は良くありません。では定電流点火はというと、❷と❸以外は有利に働きます。ただし、劣化したフィラメント部分への電圧集中による寿命の短縮化があります。ということで、いままで多くの直熱管を定電流点火してきましたが、寿命に関して特に不都合を感じたことはありません。というか、皆いまでも変わりなく動作しています。フィラメントの点火にはもう1つ有力な方法があり、それはAC点火です。この方法は上記の❶~❹を全てクリアーします。しかし、別の問題❺電源ハムをひく、という大不都合が浮上します。この対策はa,可聴帯域外の高周波AC点火でおこなう b,逆位相の信号で打ち消す、の2つが思いつきます。aは更に新しい問題をいくつも抱えることになるので実は論外です。よって今回はbでゆくことにします。

今日はここまで。
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by elise-4550 | 2014-03-19 06:35 | オーディオ | Comments(0)
この半年間に半導体のパワーアンプだけで6台製作したことになります。そのうち5台はBi-Tr入力の自己流トランスインピーダンス型です。

ブログにあるようにDCドリフトには悩まされましたが、室内の第一試聴室でユニットを選べば気にせず使えるようになりました。まだ、ビンテージ品には使いたくありませんが。

それらのアンンプから得られる音質は、ソナスファベルMinima等でフルレンジで効く限り、今までのj-FET入力が綺麗で輝いて聴こえますが、Bi-Trのざっくりとしたちょっと肌理の荒い感じの方が自分には馴染む気がします。

そこで、長年のメインシステムの1つであるマルチダクトエンクロージャーを中心とした3way
マルチアンプシステムに使ってみようと決意したのが去年の秋でした。

ノイズの関係で、パワーアンプの入力インピーダンスが600ohmsなので、CHディバイダから新しく構成して、その間にいくつかの発見等もありながら、最後に低音用アンプが先日完成しました。

じつは、その前に作ってブログにも紹介したUTC-MosFET出力によるアンプはうまくいけば低音用アンプになるはずだったのですが、音色があまりに異なるので、他のシステムに使うことになっていたのです。

結局、中、高音用と同じBi-Trを使ったアンプを作り直しました。ただし、出力段は2パラで、低インピーダンスに強い構成にしました。他の2台と同じく出力段だけでもステレオで200VAのトランスを4台積んでいるのでアンプはとても重く、シャーシを裏返すのも一苦労でした。これからの使い勝手を考えた末、アンプ系をアングルで1つにまとめてキャスターをを付けて移動しやすくしました。この方がピンコードの結線も短く合理的になります。

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フロントパネルがストロボで光って露出がおかしいですね。さて、アンプを全交換しての感想はまず、「前の方が良かった。」でした。

あと、いろいろノイズ対策してもやはりFET入力の方が低ノイズなので、こちらにすると、能率!00dB/Wを遥かに超えるスコーカーやトツイーターからシャーというノイズがその気になれば聴こえます。まあ、我慢できる範囲ですけれどね。先のMinimaや自作のScan speak等ではスピーカー能率の問題から全く問題にならなかったのに。。。

もう少し調整やバランスの手直しをしながらこのアンプシステムの可能性を見つけてゆきたいと思っています、
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by elise-4550 | 2014-03-15 06:00 | オーディオ | Comments(0)

真空管プリアンプ(2)

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前回、紹介しましたプリアンプ内部です。

左1/3がアンプ回路、中央がTL-431シャントレギュレーター、右1/3が電源整流平滑回路です。トランスと整流平滑回路の1/3はこの裏にあります。電源トランスは全部で4個、左右独立で、高圧B巻線と5極管用のヒーターで2個とECC189のヒーター用に2個使用しています。これらは手持ちのトランスから電圧と電流容量の点で選んだだけです。結果として、6V6シングルステレオ用2個と汎用の30V1Aトランス2個になりました。

合わせて6組の整流平滑回路が必要になります。全てDi整流でファストリカバリーDiとショットキーDiを使いましたが、その御利益あまりなかったかもしれません。というのも、全て、(ヒーター用もです)「抵抗入力」による整流を行い、理論上Diはスイッチングしていないからです。トランスからの平滑回路への電流波形はギザギザではなく正弦波ふうになっています。その代り、得られる電圧はトランス交流電圧の約90%で電源入力抵抗の発熱は凄いことになっています。

ヒーターは全て定電流直流点火を行っています。交流点火と並んでこれが私的には一番だと思います。今回はフォノEQを含むハイゲインアンプなのでさすがに交流点火はしませんでした。定電流回路には暫定的に電源用ICの317を使っていますが、もっと本格的なウィルソンミラー回路に発展できるようなスペースを空けています。

さて、、写真中央のシャントレギュレーター部です、全部で10段の増幅段がありますので、10組並んでいます。初段用の140Vが2組、それ以外は全て210Vです。電圧が35の倍数になっているのはTL431のアノード〜カソード間の最大定格が36Vなので、目一杯電圧を稼いで1ユニットあたり35Vとしたためです。つまり、全部で56個のTL431を用いています。ここでお笑いください。

それぞれに適切な電流値を設定して、その合計から先の抵抗入力整流平滑回路の抵抗値を現物で合わせるのは面倒でした。

結局、この間に半導体アンプで成果を上げた高音質な電源を面倒がらずに真空管でもおこなったということです。A電源の大電流とB電源の高圧という半導体アンプにはないハンディキャップを努力と物量で乗り越えたということになります。

これはPFBを最大限生かす上でも重要なことでした。低域に大きなゲインを生じるPFBでは、電源等に低域時定数を持つと、どこが原因かわかりにくい低域発振を起こすことが多いのです。つまり、直流域まで低いインピーダンスで、各段の電源を通した干渉をほぼなくす必要があります。そのためにこの物量作戦があるわけです。結果として、出力端子では電圧揺動やフリッカーは見当たりません。

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製作後のRIAA偏差測定は興味深いものでした。理論上適切なNFネットワークをCRの値を実測して組んだ後、PFB無しで測定したところ、30Hzで-5dBくらいずれていました。PFB抵抗をやや控えめな値で接続すると、予想通り低域のゲインが予定の値に近づいてゆきます。そjして、30Hzまで±0,15dBまで合わせ込みました。その後、試しに更に少しだけPFBを多くかけますと、なんと、RIAA設定値を上回った値になります。ここから先は発振するのか電流クリップするのかはやってみませんでしたが、私の計算では早々に電流クリップするはずです。

シールドの甘いパワーアンプ用トランス2個とヒーター用汎用トランス2個をシャーシ内に内蔵して、低域はトータルで85dB以上のゲインを持つアンプで、オシロで見ても全くハムを引いていないのはちょっと自慢です。

他にも、ブログに書ききれないいろいろな音質への配慮の末、前回書きましたように自分比でNF型イコライザーを持つ真空管プリとしては飛躍的な音質の向上を果たしました。

二年前のCR型EQ真空管プリアンプとは音の傾向が異なり、システムやソースにより楽しくならせる結果が変わります。両者の違いは、スタートレックに例えると、CR型はカークでNF型はスポックだといえばわかってもらえないでしょうな。製作の手間を考えると、CR型の方が簡単で良いかと思いますが、今回作ったNF型の緻密で正確で彫の深い描写は製作の苦労を乗り越える価値は十分にあったと思います。
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by elise-4550 | 2014-03-09 02:15 | オーディオ | Comments(3)

真空管プリアンプ(1)

ここ数回のブログ記事は現在進行中の話ではなく、数週間前のことを載せています。理由は単にブログの更新をさぼっていて、オーディオ作業の進行が早いということです。写真を撮り忘れて闇に流した話題もあります。

さて、人は誰もが時折真空管プリアンプを作りたくなるものです。私も2月中は3週間ほど1台のプリアンプに掛かりっきりでした。

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フロントデザインは過去最低の不細工さです。見るたびにがっかりしますが、8Uのラックアングルに取り付けて下に他のEQアンプ等を置くことで何となく見慣れてきました。

このフロントパネルは単に必要な機能を求めた結果です。アンプは高さを抑えて薄く作ると格好がつくものですが、今回の150mmの高さはそこに積むトランスから決まりました。また、生じる発熱を逃がす上でもこうなります。

真空管プリには付けることが多い低域ブースト回路は見送りましたし、接点による音質劣化が思いのほか大きいので出力は1系統にしました。これだけでいつものプリよりもツマミが2つ減ることになり、ただでさえ広いフロントパネルは更に間が抜けたことになっています。ツマミ位置も回路要請上の電気的合理性を優先させています。

というわけで、見るに忍びないことになっていますが、音質的には新しい境地を確立したといえます。全く方向性の異なる前作(二年前に製作)を除けば、他の手元にある真空管プリおよびフォノEQは全て音質的に過去のものとなり、使う気がしなくなってしまいました。まったくもったいないことです。

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今回最大の試みはポジティブフィードバック(PFB)の積極的活用とTL-431によるシャントレギュレーターを全段個別に施したことです。

PFBというと発振のイメージがあり先入観で嫌われている気がします。もちろんこれはレベルの低い偏見で、立派な電子回路テクニックの1つです。その所為も有ってか、雑誌等で発表されるアンプ回路で見かけることは少なく、たまに識者が用いても「ふりかけ」程度の補助的な量です。おそらく先ほどのオーディオ的先入観と回路設計及び測定に自信がないためと思われます。PFBはNFBと同じく理論的に確立されたテクニックで適材適所に正しく使えば非常に優れた結果が得られます。

また1つのオーディオ的先入観(というより一派)に「NFBをかけると音が死ぬ』というのがあります。これは私も経験したことがあり、一時は意識していましたが、現在はその理由を自分の中では解決しています。

その内容は長くなるのでやめますが、いくつか書いておくと、「単に回路の逆相部分に信号を戻して発振しなければ良し」という低レベルではそりゃ音質向上は望めません。矩形波が綺麗に通ってもです。雑誌やアマチュアの製作品にこのレベルのものが多くありNO-NFB信者を増やしています。

「ちゃんと時定数をとり、スタガー比を確保して設計している」でも、まだ音質は悪化します。機械制御じゃないんですから、計算で破綻せずそれを実測で確かめたくらいでは「聴感上」というあやふやであやしいけれどじわじわ効いてくる試験を通りません。測定結果はすばらしいと思いますが。

話がNFBのほうへそれました。今回PFBを使うのは、NF型RIAA等価回路において、真空管による2段の増幅では得られるゲインの関係で、可聴域の下限ではNFBが十分にかからないからです。ほとんどの真空管EQでは、その少ない余剰ゲインとの兼ね合いで低域時定数を大きく変えて、「割れ鍋に綴じ蓋」的にRIAA偏差を合わせ込んでいます。自作アンプはもとより、往年のマッキントッシュ、マランツの回路定数もそのようなことが行われています。

この問題に関してPFBは「一石五鳥」的に都合が良いと思っていました。①低域ゲインが十分上がる。②PFBの原理として高域ゲインが下がり、NF型フォノEQで苦労する発振対策が楽になる。③うまく調整すれば可聴域でのNFB量をほぼ一定にできる。④微小信号領域にわざわざ不利な小電流高内部抵抗の真空管(X7等)を使わなくてすむ。初段の真空管を選ぶ範囲が広がる。⑤宍戸公一氏のお言葉(PFBの音質傾向)

構成は古典的な2ステージで、フォノEQを中心としてフラットアンプと組み合わせています。片chあたりフォノEQに3球、フラットアンプに2球用いています。フォノEQの使用球は初段からECC189-6AK5(WE403)-ECC189です。初段はいつも通り双三極管のカスコード接続です。2段目は普通に5極管増幅、終段は真空管負荷のカソードフォロワー(CF)にしています。フラットアンプはECC189が2本、初段が双三極管のカスコード接続に終段は真空管負荷のカソードフォロワー(CF)です。

EQ部のPFBはCF出力から二段目のカソード抵抗へ施します。直結にしたいところですが、CF段の出力電流が全く足りないので、3.3μFのフィルムコンデンサー(ASC)で切っています。わざわざ音質的に失敗しやすいCFを持ってきた理由は、PFB送り出し側の電流的余裕がこの手法の勘所とわかったからです。むしろ、PFBを強く施すと二段目とCF段をそれにより結合した1つの増幅段としてとらえて、その特徴を目一杯引き出すことが有利と予想しました。

フラットアンプにもCF段から初段にかけてPFBをかけたあとに終段から初段グリッドにNFBを施し、反転アンプとして帰還抵抗を可変とすることで音量調節にしています。私の半導体アンプはほとんどこの形式で音質へのダメージははこれが最も小さいと聴こえます。真空管プリでも、前作からこの方式に変更して明らかな好結果になっています。

ただ、前作は真空管1段のいわゆるP-G帰還だったのに対して今回はCF段付きで、更にPFBをかけているのでその進化版です。

話が長くなったので今日はここまでにします。
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by elise-4550 | 2014-03-07 20:35 | オーディオ | Comments(0)

DCドリフトの検討-2

前回「DCドリフトの検討」をブログ上に掲載したあと、新しくパワーアンプを製作して再挑戦していました。

デュアルTrを使わずに、いくつかの工夫で何とかならないものかということで、、、

まず、Trの選別を厳密にしました。どうも今まで割合軽視していたDi接続のバイアス用Trがドリフトに大きな影響を与えていることに気付いたのです。実動作と同等回路において、Di接続Trのコンプリ間Vbeを0,01V以下に選別後、初段べース接地用Trをそれらに合わせて選別しました。

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更に、基板上のレイアウトを変更して初段Trを4個縦に配列し、中の2つをバイアス用Trにしました。発熱の大きいべース接地Trでこれらを挟んで加熱する感じです。

更に、ウィルソンミラー型定電流回路の4個のTrも熱結合しました。これらはレイアウト上最初から縦に並んでいたので、接着剤による熱結合は省略していたのです。

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結果として、始動時からでも±50mV以内となり合格です。選別はとても面倒ですが、DCサーボなしで、なんとか実用性を確保できました。

また、本機は出力段をカスコード接続としています。そのかわり、出力段の電源は非安定化です。前作に比べて、音の輪郭がはっきりしていることを感じました。以前出力段カスコード接続と普通のコンプリエミッタ接地を比べた時はあまり違いを感じなく、わざわざややこしくするメリットはあまりなかったのですが、今回は空気感のノーマル、直接音のカスコードという感じでキャラクター分けできそうです。少なくとも、定電圧電源用に大きなTrを入れるよりはずっとメリットがあると考えています。
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by elise-4550 | 2014-02-24 13:24 | オーディオ | Comments(0)