私が所長Kです、趣味を中心に展開できればと思います。


by elise-4550
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

<   2014年 01月 ( 1 )   > この月の画像一覧

DCドリフトの検討

新年最初に製作したのはTrパワーアンプです。

f0201222_23202210.jpg


今回のテーマは①DCドリフト抑制の勘所はどこか、②保護回路の設定、の2点が中心です。

初段をBi-Trによるトランスインピーダンス回路にフォールデットカスコードを組み合わせた場合、使用条件下で、パワーアンンプとしては自己基準ぎりぎり(±100mV)のDCドリフトが生じます。それも素子を選別し。熱結合等の対策を駆使してのことです。

一方、初段にFET(K170,J74)を用いて熱結合しない状態でせいぜい±30mV程度です。

まず、無選別で初段を組んだ(C2240,A970)ところ、DCドリフトどころか動作しませんでした。入力TrとフォールデットカスコードTrは和が一定の電流で動作します、入力Trとそれに与えるバイアス電圧を作るDi接続TrのVbeマッチングがずれているため、入力Trに全ての電流が流れ込みカスコードTrがカットオフになったようです。

Di接続Trに流す電流を調整することで動作状態にもってゆくことはできますが、上下のコンプリ間の電流不揃い問題が生じるので、実装回路とほぼ同条件の測定用回路を組んでDi接続TrのVbeマッチングをとった上で入力Trとのペアーを組みました。この作業でのべ10時間かかります。この苦労が嫌で今回の実験を始めたわけですが。。。

さて、選別したTrで実験を再開しました。ところが、電源投入後1分くらいでまたカスコードTrがカットオフします。今度は初段の熱結合の問題です。はじめは温度がほぼ等しいDi接続Trと入力Trのチップ温度がその消費電力の違いにより差が生じて動作点が移動してしまうわけです。

入力段4個のTrを1mmアルミ板とエポキシで熱結合したところ、効果はてきめんで動作状態が持続するようになりました。

f0201222_2359823.jpg


しかしドリフト電圧は大きく、±400mVくらいあります。これ以上今回の初段Trでドリフトを抑えることは基板レイアウト等の根本的やり直しになり、それでも結果は怪しいと思われます。よって、デュアルTr(C2291,A995)の出番です。

先ほど、初段の熱結合で安定性が劇的に上がったことを受けて、その理想的状態として、同一チップ上に2つのTrジャンクションをもつタイプのデュアルTrを使うわけです、ただ、手持ちの数よりTr間のVbe選別はしていません。製造過程でどのくらいこの値が管理されているのかも不明です。

ここに至ってドリフトが±100mV以内になりました。もう少し動作点や温度管理を追い込めば良くなりますが、今回の追求はここまでにします。なぜなら、音質の問題だけでなく初段のFET入手難に端を発した回路変更が、同じくらい入手難が予想される1チップデュアルTrの使用に落ち着いたので、目的の1つは達成されないことになるからです。

保護回路の件は何の問題もなく動作しました。これは出力段がフローティング電源になってから従来の保護回路で動作するかどうか判らなかったため省略していたのです。実際、製作後に保護回路が動作したことはないため、電源に余分なTrを挟んでしまう回路に必然性を感じなかったのです。

まあ、他の方に使っていただくときに安心できる、といったメリットでしょう。
[PR]
by elise-4550 | 2014-01-18 00:29 | オーディオ | Comments(0)