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私が所長Kです、趣味を中心に展開できればと思います。


by elise-4550
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祝完成・・アンバランス出力の標準回路・・高音質

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藤井氏の発案による「逆立ち式出力ソース接地 MOS-FET 単段アンプ」は使える事が判りました。スムーズな音質は「おだやか、しなやか」方向に適応性を持っています。一方、「するどい、はげしい」系の音はあまり得意ではないようです。

これはその時用いたMOS-FETの音質そのままです。K134,J49を何十個も使ってきたので判ってるのでした。そこで、バイポーラトランジスタの3段ダーリントンで製作しました。すると、いつものなじんだ音が出てきました。良い悪いではなく、世代的にこの音がすり込まれているんですよね。

大分強めの音になってきましたが、それでも穏やか系でした。どうやら、この回路形式は素材の音がもろだしで、全体としてはマイルドな音質で仕上げる性質がありそうです。そりゃ、素子のVbe(Vgs)特性がそのまま音になっているわけですから。

音的には面白いものの、音楽を再生するには個性的すぎるようです。また、音の切れ味は不満です。そこで、前段を設定してゲインを稼ぎ、NFBをかけて自分の思う音質に仕上げる事を考えました。

祝完成・・アンバランス出力の標準回路・・高音質_f0201222_2354636.jpg


初段は検討の上、FETゼロバイアスコンプリ対称回路と横型カスコードを組み合わせて出力段につなぐ事にしました。この回路の音質を大きく決めるのは、回路の上下にある定電流回路です。基準電圧の設定と、そのノイズ管理に音質的ノウハウがあります。もっともこんな所で音質ががらがら変わってもらうのは困るのですが、事実は事実でしょうがありません。

初段の負荷抵抗と位相補正は二番目の肝です。これはその後の試聴によるカットアンドトライで、最終的には7,5Kohmと680pFで落ち着きました。出力段はバイポーラトランジスタの3段ダーリントンです。

祝完成・・アンバランス出力の標準回路・・高音質_f0201222_23553685.jpg


製作し、基本的な特性を測定後、早速試聴を行いました。結果は上々でした。音の切れ味は十分で、あまり気になる欠点がありません。やはりNFBは掛けたほうが良いようです。何より二段増幅で「測定派」の方にも文句のないレベルで、SPの駆動力にすぐれ、高音質が確保出来たのは気分の良い事です。

早速、「現代型」SPたちのドライブに活躍を始めました。高解像度で、軽快な音から重厚な音まで守備範囲の広い音質はこれらのSPにぴったりで、やっと、アンバランス接続の標準回路が見つかった実感がありました。

祝完成・・アンバランス出力の標準回路・・高音質_f0201222_23595527.jpg


つぎに、同じ回路で、出力段のチョーク入力電源を試してみました。それは前回体験を書いた電源の高周波分離策の効果があったためです。チョーク電源で整流ダイオードのスイッチングをなくす事により、ノイズ源の一つをなくそうという事です。これは半分の成功でした。平滑コンデンサーのコイル分離なしでだいたい使える音になりましたが、コイルで分離してみると、やはりコイルなしには戻れません。

祝完成・・アンバランス出力の標準回路・・高音質_f0201222_021996.jpg


そしてこの二作目はこの回路形式最上の音となりました。モノラルで製作した事も効いています。現在はアポジー DIVAの中高音の駆動に使っています。
by elise-4550 | 2009-05-20 00:32 | オーディオ