もうすぐオーディオの季節
2010年 11月 23日
球アンプを数十台製作してきてふと気付くと、音質的に上位にきて感動を感じるアンプの大半は貴重で高価なパーツを使用したものだということ。
斬新な設計コンセプトや回路上の工夫、定数設定の深慮などが音に反映しないとは云わないが、結局、コストをかけ部品入手に苦労した普通の回路にあっさり超されてしまう。
音楽を聴くだけが全ての人ならば、真空管世界の銘機や銘パーツに囲まれてそれでよいかも知れないが、自分はそれで満足ではない。
何十年も雑誌に載り続けている、高価なものほど高評価なゴミ試聴記事と変わらないではないか・・・
その点、半導体アンプでは、設計やアイデアやコンセプトによる音質向上が(失敗も)はっきり聴こえてくるため、面白く感じている。
半導体アンプではパーツによる音の差よりもそれらが優位にはたらいている気がする。
こちらの世界にも巨匠推薦のプレミアムパーツが存在するが、実際使ってみると、他と比べて相対的な個性でしかなく、別にもっと良いものが見つかったりするのが気分が良い。
何れにせよ、全ての機材は、コモンモードノイズで揺すられ続けているリングの上で、各種電磁波の風に煽られながらプロレスしているようなもの、なので、その点を考慮していないコンポーネントパーツは、単独では高品質でもシステムに組んだ時点で他の音質劣化要因より支配的な低音質を持ってしまう。
普段書いている「です、ます」調をやめてみたが、仕事での文章のようで気分がOFFにならないな・・・
という事で、近々真空管パワーアンプを製作の予定、先程までの論旨とはまったく結びつかない結論で締め。