リレーの交換
2013年 01月 11日
そのスケジュール前に、3年前製作した真空管式プリアンプ2台の改装を行っています。
真空管式プリアンプの集大成として、フォノEQありと無しの二台を製作しましたが、音質的に以前と比べてかえって劣化したため、しばらく色々試した後、理由がなんだか判らずお蔵入りになっていたものです。
その件に関してはずいぶん前のブログ上で「試作モデルの方が音が良い、フォノEQは何が勘所なのか判らない」とこぼしたことがあります。
しかし考えてみると、同時に製作したモデルの中で、フォノEQがない方も同様に音が冴えないのでした。最近この事実にふと気付き、入力と出力の切り替えリレーを疑ったわけです。
これが取り替えた方の旧基板です。入力6系統、出力4系統を接続機材のアースも同時に切り替えます。
リレーの銘柄に関しては今まで、あまり気を使ったことがなく、小信号用の基板用リレーのなかで、たまたま手に入ったものをある程度まとめて購入し、それを用いていました。ロータリースイッチやスナップスイッチに比べて配線の短縮も含めて音質的利点が多いという結論はずいぶん前にテストした記憶があります。その時の先入観のまま、設計していたのです。
今回交換した以前のものは、某パーツ店でたまたま安売りしていた40個を買って使ったように思います。写真の通り、透明プラスチックの接点が見えるタイプで、完全密閉ではありません。そこで、接点の劣化を疑いました、店頭に安く出ていた時点で、どれほどの在庫期間や保存環境なのかは不明だったからです。
新しくTAKAMIZAWAと書かれた青い完全密閉型を手に入れて全交換してみました。基板 4枚計40個のリレー交換は骨が折れますが、結果はそれに見合ったものでした。かつて追求していた真空管によるプリアンプの中間報告に相応しい音質です。もうびっくりです。
『色彩感(色気?)』と『力強さ』というある意味相反する点に特徴があるこの音質は多くのシステムに利点が多く、私が真空管プリで目指していたところです。低音ブーストの諸定数も私には適当で、何度も試作した成果が出ています。ただ、内蔵フォノEQはいまいちですが、、、これは外付けEQがいくつもあるので、おまけとしておきます。自分には珍しいいわゆるMM型カートリッジ用(クオード型)なので。
リレーを交換する前は、これらの長所は全く発揮されておらず、曇って歪みっぽい取り柄のない音でした、それまでのプリとも全然別の世界でしたので、「これはいったいどうしたことか」と回路定数やパーツ等を変更してみましたが、改善されず、一瞬良い音だと感じた次にすぐ悪くなるといった印象でした。
もっと早くこの原因に気付くべきでした、これに懲りてプリは半導体中心になっていったのです。おかげで、当研究所の標準になるプリが製作できましたが。